Episode12**

クリスマスによせて

ある日のニュース映像に、にわかサンタに扮したおじ様を見上げ

一生懸命に何かを訴える女の子の姿があった。プレゼントのお願いでもしていたのか‥‥‥‥

キラキラとした眼差しは、サンタクロースにやっと会えた喜びにあふれているようだった。

 

子供ってなんて純粋なんだろう。小さな感動をもらった。

 

サンタクロースが絵空人だと知ってしまったのはいつだっただろう。
子供の頃、我が家では記念日とかお祝い事に固執していなっかたようで、クリスマスの夜に

家族でケーキを囲んで特別な時間を楽しんだ記憶がない。

それなりのイベントはあったのかもしれないが、忙しい両親のささやかな思いに気がつかないふりをして

ヘソをまげていたような気もする。

とは言え、そこはやはり子供のこと‥‥‥‥‥プレゼントには心踊らせた。
イブの夜には、欲しいものを神様にお願いする。クリスマスだから一応スジを通してキリスト経由のサンタかな?

次の朝、兄と私の枕元に色違いの「同じもの」が必ず置いてあった。
兄とは日頃から、収穫物の分配で壮絶な戦いを繰り返していたので、「同じもの」 ‥‥‥‥‥‥‥‥は

クリスマスぐらいは子供のケンカを回避したいという親心だったのだろう。

ただ‥‥‥‥‥本当にほしいものを貰ったことがない。

 

そういえば、両親に「今年はサンタさんに何貰うの?」と聞かれ「言わない!!

言うと願いごとがかなわないから!」‥‥などど宣うていたように記憶している。

5歳か6歳くらいだったか‥‥‥いや‥‥‥もっと小さかったのかも。
この頃の私は、一芸でお小遣いが貰えることに味を占め、その当時の流行歌などを振り付きで歌ってみせては

エンターテナーを気取るマセガキではあったが、さすがに大人の事情など知るよしもない。

その後、クリスマス時期の執拗なまでの両親の心理作戦に疑念をもち始め

やがて、世を忍ぶ仮のサンタに真実を見る。

「やっぱりねーーー」子供のくせに理由知り顔でうそぶく可愛げのない子だった。

 

12月になると、今は亡き父の困り果てた顔を懐かしく思い出す。

 

 

男性が少年のこころを持ち続けているように、現実至上主義と言われがちな女性にも

少女のような夢見る思いはあるはず。

 

それはきっと、純粋無垢だった時代が少々気恥ずかしくなってしまった大人達からの過去へのオマージュに違いないが

両者を敢えて象徴するならば、前者はマニアックに、後者はアグレッシブに‥‥‥という感じだろうか。

 

 

そんな少年少女達が、今年もHICAのXmasパーティーで一同に会した。
試行錯誤の末、いろいろなアイデアで臨んではみるも、かなかな思うように事が進まない場合が多い。

それでも「楽しかった!」「美味しかった!」という参加者からの声に励まされ

勿論、叱咤の声に反省もしつつ、ひたすら次へ進んで行くしかない。

 

来年は、HICA創立10周年を迎える。
私たちスタッフの思いは、もう一年後の12月へスキップしている。

kofumi